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ディヴィーノ〜ワイン初心者による勉強ブログ〜

赤ワインの製造方法について

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Photo by Matt Lamers on Unsplash

 

Ciao a tutti :)

皆さんこんにちは!どーもマユミです😄

 

普段、何気なく飲んでいるワインが、ブドウからどのような工程を経てワインになるのか。

今回は赤ワインの製造方法についてのお勉強です。

 

 

赤ワインに使われるブドウ

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Photo by Maja Petric on Unsplash

 

赤ワインに使われるブドウは、黒に近い青や紫色をした『黒ブドウ』が使われます。

 

主な品種は

などです。

 

黒ブドウの果皮にはアントシアニン含まれており、この色素によって赤ワインは鮮やかなルビーやガーネット色になります。

 

製造工程

1.収穫・輸送

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Photo by Lasseter Winery on Unsplash


 

収穫期を向かえたブドウは、人の手か機械によって収穫されます。

 

収穫したブドウはワイナリーへ送られます。

この時、最も重要なのがブドウの品質を維持したままワイナリーに送ることです。

もしもブドウが傷つき果汁が漏れだすと、酸化が始まってしまいます。

そのため、ブドウ畑の真ん中に醸造施設を置いたり、収穫したブドウに酸化防止剤を散布するなどの対策がされています。

 

2.除梗(じょこう)・破砕(はさい)

 

収穫したブドウから果梗(茎やヘタ)を取り除き、ブドウの実を軽く潰します。

作り手が仕上げたいワインによって、タンニンを多く含む果梗を残す場合もあります。

 

果梗を取り除くか、または一部を房のまま使うか。

どんなワインに仕上げるかによって調整されます。

 

3.醸し(マセラシオン)

 

破砕が終わると、果肉も果汁も果皮も種も全て発酵槽へ移され、果汁に果肉や果皮、種子を漬け込みます。

この工程を醸し(マセラシオン)と言います。

 

醸しは発酵前と発酵後にも行われます(ただし、仕上げるワインによって行わない場合もあります。)。

 

発酵前の醸し

 

発酵前の醸しは主に色素の抽出を目的に、数日から数週間行われます。

この時、発酵が始まらないように果汁を低い温度で管理します。

 

発酵後の醸し 

 

発酵後の醸しは主にポリフェノール類の抽出を目的に、数日間の場合もあれば、1〜2か月の間行う場合もあります。

 

この時は発酵前とは異なり、比較的高い温度で行います。

 

4.アルコール発酵

 

醸しが終わると、酵母の働きによる発酵が行われます。

酵母は果汁に含まれる糖分を、アルコールと二酸化炭素に分解をします。

 

使われる酵母は、ブドウの皮に付着している自然酵母培養した酵母です。

培養した酵母を使う場合は、果汁に添加します。

 

この時、二酸化炭素の発生により果皮や種子が表面に浮き上がるため攪拌も行います。

 

また、発酵により果皮からはアントシアニンが、種子からはタンニンが抽出されます。

 

5.圧搾

 

醸し・発酵の工程が終わると、発酵槽からワインを抜きとります。

圧力をかけずに、発酵槽の下から流れ出たワインは『フリーラン・ワイン』と呼ばれています。

 

残った果実や果皮、種子はプレス機で圧搾されます。

この圧搾によって絞り出されたワインは『プレス・ワイン』と呼ばれています。

圧搾の時に、圧力をかけ過ぎると不快なタンニンなどが抽出されるため、できるだけやさしく圧力をかけることが重要となります。 

 

6.マロラクティック発酵(MLT)

 

酵母よるアルコール発酵が終わると、乳酸菌による二時的発酵が始まります。

この発酵をマロラクティック発酵と言います。

 

マロラクティック発酵によって、ワインに含まれるリンゴ酸の尖った酸味は丸みを帯び、タンニンはまろやかになります。

このことで、バランスの良いワインに仕上がります。

 

バターやチーズなどの乳製品のアロマは、このマロラクティク発酵由来とされています。

 

7.熟成

 

発酵が終わったワインは、果汁からの急激な変化で不安定になっています。

熟成によりワインは安定し、香りや味わいが落ち着いていきます。

 

熟成は、ステンレスタンクや木樽で行います。

 

フレッシュなワインに仕上げる場合は、ステンレスタンクで行います。

複雑さや樽由来のアロマをつけたい場合は、木樽で行います。

 

木樽の場合は、古樽か新樽かによってもワインに与える影響は変わります。

 

熟成にかける期間は、仕上げるワインによって変わります。

ボジョレーヌーボーのような早飲みタイプは数週間〜、長いものでも数ヶ月間程度。

長期熟成タイプのワインであれば、数年間〜です。

 

8.澱引き

 

 タンクや樽の底には徐々に酵母の死骸などの沈殿物が溜まっていきます。

この『澱(おり)』を放置すると悪臭や雑味をもたらすため取り除きます。

 

大きなワイナリーでは遠心分離機を用いて澱引きが行われます。

 

9.清澄(せいちょう)・ろ過

 

 清澄剤(卵白やゼラチンなど)を添加し、ワインの濁りの原因となる浮遊物を清澄剤に吸着させ取り除きます。

 

さらにワインをクリアな状態に保つためにろ過を行い、余分な微生物を取り除きます。

 

ただし、ろ過はワインの味わいに影響を及ぼす恐れもあるため、ろ過をしない場合もあります。

 

10.瓶詰め

 

瓶にワインを注入し、コルクまたはスクリューキャップで栓をします。

 

ワインによっては瓶内でさらに熟成を行い、その後出荷されます。

 

 まとめ

 

赤ワインを造るための工程が多いのに驚きました。

 

現在では、破砕や攪拌などの工程に機械を使用するワイナリーが多くなってきたそうですが、昔は全て人の力で行っていました。

 

破砕は、桶に入れたブドウを足で踏む。

攪拌は、櫂(かい)を使って行う(これを『櫂入れ』と言います。)。

この櫂入れは、かなりの重労働であったのと、過って発酵槽に転落し命を落とすこともあったそうです。

 

この櫂入れを行っているワイナリーは現在でもあるそうです。

素晴らしいワインを造り上げるために、命をかけて醸造をしている。

ワインに対する情熱がなければ出来ない事だと思いました。

 

今回勉強した赤ワインの製造工程は、仕上げるワインによって全て行ったり、行わなかったりします。

 

いつか赤ワインを試飲した時に「これはマロラクティック発酵をしてますね〜。」「これは樽発酵ですな〜。」なんて言えるようになりたいものです。

 

参考

イギリス王立化学会のの科学者が教えるワイン入門 ディヴィッド・バード著(株式会社エクスナレッジ

基本を知ればもっとおいしい!ワインを楽しむ教科書 大西タカユキ監修(株式会社ナツメ社)