ロゼワインの製造方法について
Ciao a tutti :)
皆さんこんにちは!どーもマユミです😄
普段、何気なく飲んでいるワインが、ブドウからどのような工程を経てワインになるのか。
今回はロゼワインの製造方法についてのお勉強です。
ピンク色が特徴のロゼワイン。
あの可愛らしい色も赤ワインの製造で使われる『黒ブドウ』の持つ色素によるものです。
では、同じ黒ブドウを使う赤ワインとロゼワインの色や味わいが違うのは何故でしょう?
その理由は製造方法にあります。
※これから挙げる工程のうち、造り手の仕上げたいワインによっては幾つか省く場合があります。
ロゼワインに使われるブドウ
ロゼワインに使われるブドウは赤ワインと同じく、主に黒に近い青や紫色をした『黒ブドウ』が使われます。
中には『黒ブドウ』と『白ブドウ』を混ぜて醸造を行う造り手もいます。
主な品種は
- ピノ・ノワール
- グルナッシュ
- サンジョベーゼ
などです。
黒ブドウの果皮には『アントシアニン』含まれており、この色素によって可愛らしいピンク色になります。
製造工程
1.収穫・輸送
収穫期を向かえたブドウは、人の手か機械によって収穫されます。
収穫したブドウはワイナリーへ送られます。
この時、最も重要なのがブドウの品質を維持したままワイナリーに送ることです。
もしもブドウが傷つき果汁が漏れだすと、酸化が始まってしまいます。
そのため、ブドウ畑の真ん中に醸造施設を置いたり、収穫したブドウに酸化防止剤を散布するなどの対策がされています。
2.除梗(じょこう)・破砕(はさい)
収穫したブドウから果梗(茎やヘタ)を取り除き、ブドウの実を軽く潰します。
次の工程で『直接圧搾法』を行う場合は、ここでの破砕は行いません。
3.圧搾/醸し(マセラシオン)
ロゼワインの醸造では果皮から色素を抽出する方法として、主に以下の3つが挙げられます。
どんなロゼワインを造るか。
造り手の考えによって抽出方法が変わります。
セニエ法
赤ワインと同様に、果汁に果皮・種子を漬け込み色素と風味を抽出します。
通常8〜24時間(長い時には2、3日)漬け込んだ後、果汁の一部を抜き取ります。
赤ワインに比べて醸しの期間が短いため、色合いも淡くなり、渋みも抑えられます。
抜き取った果汁は別のタンクに入れられ、発酵を行います。
(残りの果汁は、果皮や種子を漬け込んだまま発酵させて赤ワインにします。)
ちなみに、この果汁を抜き取る作業を『セニエ(Saignée)』と言います。
『セニエ』とは、フランス語で「血を抜く」という意味の言葉です。
<赤ワインの製造方法はこちら⬇︎>
直接圧搾法
白ワインと同様に醸しを行わず、破砕・圧搾後の果汁のみを発酵させます。
色素は破砕・圧搾のときに果皮から果汁にうっすらと移ります。
そのため、セニエ法に比べ色合いが淡く、渋みもなくフレッシュな味わいになります。
<白ワインの製造方法はこちら⬇︎>
混醸法
『混醸』の名前の通り、黒ブドウと白ブドウを混ぜて醸造を行います。
醸造方法は赤ワインと同じです。
4.アルコール発酵
酵母の働きによる発酵が行われます。
酵母は果汁に含まれる糖分を、アルコールと二酸化炭素に分解をします。
使われる酵母は、ブドウの皮に付着している自然酵母か培養した酵母です。
培養した酵母を使う場合は、果汁に添加します。
混醸法の場合、二酸化炭素の発生により果皮や種子が表面に浮き上がるため攪拌も行います。
発酵は10日〜30日ほど行います。
発酵期間が短いほど甘口に、長いほど辛口に仕上がります。
5.熟成
発酵が終わったワインは、果汁からの急激な変化で不安定になっています。
熟成によりワインは安定し、香りや味わいが落ち着いていきます。
熟成は、ステンレスタンクや木樽で行います。
6.澱引き
タンクや樽の底には徐々に酵母の死骸などの沈殿物が溜まっていきます。
この沈殿物を『澱(おり)』と言います。
澱を放置すると悪臭や雑味をもたらすため取り除きます。
7.清澄(せいちょう)・ろ過
清澄剤(卵白やゼラチンなど)を添加し、ワインの濁りの原因となる浮遊物を清澄剤に吸着させ取り除きます。
さらにワインをクリアな状態に保つためにろ過を行い、余分な微生物を取り除きます。
ただし、ろ過はワインの味わいに影響を及ぼす恐れもあるため、ろ過をしない場合もあります。
8.瓶詰め
瓶にワインを注入し、コルクまたはスクリューキャップで栓をします。
まとめ
ロゼワインの造り方について興味深かったのは、「比較的自由」であることです。
使うブドウは黒ブドウ単体が主流ですが、白ブドウを混ぜてもOK!
使われる品種もいろいろです。
醸造方法も赤ワインのように醸造してもいいし、白ワインのように行ってもOK!
色々な造り手のロゼワインを飲み比べてみるのも面白いかもしれません。
まぁ、それはロゼに限らずですが^^;
ロゼワインの印象について、以前の私は「ロゼ=甘い」と思っていました。
今の私の印象は「ロゼ=爽やかな酸味と甘みもあってフルーティーo(≧▽≦)o 」
色合いも可愛いので、最近は白ワインよりもロゼワインを選ぶことが多いです(*^ー゚)v
参考
イギリス王立化学会のの科学者が教えるワイン入門 ディヴィッド・バード著(株式会社エクスナレッジ)
基本を知ればもっとおいしい!ワインを楽しむ教科書 大西タカユキ監修(株式会社ナツメ社)
新ワイン学 戸塚 昭/東條 一元編集幹事(ガイアブックス)
白ワインの製造方法について
Ciao a tutti :)
皆さんこんにちは!どーもマユミです😄
普段、何気なく飲んでいるワインが、ブドウからどのような工程を経てワインになるのか。
今回は白ワインの製造方法についてのお勉強です。
「ワインは飲むこともあるけれど、赤ワインはちょっと苦手」という人も多いのではないでしょうか。
私もワイン好きに変化するまでは、赤ワインが苦手でした。
友達とイタリアンを食べに行ったっ時には、決まって白ワインを頼んでいたんです。
なぜ赤ワインが苦手だったかというと、ズバリ「渋い」から!
赤ワインに比べて白ワインは渋くなくて飲みやすかったんです。
(今では白ワインよりも赤ワインを好んで飲んでいますが😅)
ではなぜ白ワインは赤ワインに比べて渋くないのでしょう。
その理由は、使用するブドウの種類と製造方法の違いにあります。
※これから挙げる工程のうち、造り手の仕上げたいワインによっては幾つか省く場合があります。
白ワインに使われるブドウ
白ワインの製造には、『白ブドウ』が使われます。
主な品種は
などです。
製造工程
1.収穫・輸送
収穫期を向かえたブドウは、人の手か機械によって収穫されます。
収穫したブドウはワイナリーへ送られます。
この時、最も重要なのがブドウの品質を維持したままワイナリーに送ることです。
もしもブドウが傷つき果汁が漏れだすと、酸化が始まってしまいます。
そのため、ブドウ畑の真ん中に醸造施設を置いたり、収穫したブドウに酸化防止剤を散布するなどの対策がされています。
2.除梗(じょこう)・破砕(はさい)
収穫したブドウから果梗(茎やヘタ)を取り除き、ブドウの実を軽く潰します。
ただし、果梗と一緒に圧搾した方が果汁が流れ出やすくなるため、残す場合もあります。
3.スキン・コンタクト(マセラシオン・ペリキュレール)
風味豊かなワインを仕上げたい場合、果汁に果皮を漬け込みます。
赤ワインで言う「醸し(マセラシオン)」の工程です。
この工程を、白ワインでは英語で『スキン・コンタクト』、フランス語で『マセラシオン・ペリキュレール』と言います。
スキン・コンタクトは数時間〜24時間程度、行います。
4.圧搾
白ワインは赤ワインと異なり果汁を発酵させるため、この段階で圧搾をして果汁を発酵槽へ移します。
果汁のみを発酵させることにより、渋みがなくフルーティーなワインに仕上がります。
圧搾は、まずプレス機に果実や果皮を移します。
ここで、自然に流れ出た果汁を『フリー・ジュース』と呼びます。
次に圧力をかけて果汁を絞り出します。
この果汁を『プレス・ジュース』と呼びます。
圧搾の時に、圧力をかけ過ぎると不快なタンニンなどが抽出されるため、できるだけやさしく圧力をかけることが重要となります。
5.アルコール発酵
酵母を添加して発酵を行います。
酵母は果汁に含まれる糖分を、アルコールと二酸化炭素に分解をします。
発酵温度は仕上げたい白ワインのスタイルによって変わりますが、赤ワインの発酵温度よりも低い温度(10〜18℃)が理想とされいます。
辛口の白ワインに仕上げたい場合は、果汁に含まれる糖が全てアルコールになるまで発酵をします。
甘口の白ワインに仕上げたい場合は、発酵を途中で止めて糖を残します。
6.マロラクティック発酵(MLT)
酵母よるアルコール発酵が終わると、乳酸菌による二時的発酵が始まります。
この発酵を『マロラクティック発酵』と言います。
マロラクティック発酵によって、ワインに含まれるリンゴ酸の尖った酸味は丸みを帯びます。これにより、バランスの良いワインに仕上がります。
バターやチーズなどの乳製品のアロマは、このマロラクティク発酵由来とされています。
7.熟成
発酵が終わったワインは、果汁からの急激な変化で不安定になっています。
熟成によりワインは安定し、香りや味わいが落ち着いていきます。
熟成は、ステンレスタンクや木樽で行います。
フレッシュなワインに仕上げる場合は、ステンレスタンクで行います。
樽由来のアロマをつけたい場合は、木樽で行います。
熟成は、澱引きをしてから行うこともあれば、澱を残したまま行うこともあります。
澱を残したまま熟成を行うことを『シュール・リー』と言います。
澱と一緒に熟成させることで、ブドウ本来の旨味成分や複雑みが抽出できます。
8.澱引き
タンクや樽の底には徐々に酵母の死骸などの沈殿物が溜まっていきます。
この『澱(おり)』を放置すると悪臭や雑味をもたらすため取り除きます。
大きなワイナリーでは遠心分離機を用いて澱引きが行われます。
9.清澄(せいちょう)・ろ過
清澄剤(卵白やゼラチンなど)を添加し、ワインの濁りの原因となる浮遊物を清澄剤に吸着させ取り除きます。
さらにワインをクリアな状態に保つためにろ過を行い、余分な微生物を取り除きます。
ろ過はワインの味わいに影響を及ぼす恐れもあるため、ろ過をしない場合もあります。
無ろ過の場合、ろ過したものに比べてフレッシュな果実味やまろやかさがあります。
ただし、純物が含まれているため品質管理が難しくなります。
10.瓶詰め
瓶にワインを注入し、コルクまたはスクリューキャップで栓をします。
ワインによっては瓶内でさらに熟成を行い、その後出荷されます。
まとめ
白ワインの製造方法を勉強して「なぜ白ワインは渋くないのか」が良く理解できました。
タンニン含む種子と果皮を除いて、果汁のみを発酵するからだったんですね!
ちなみに「白ワイン」と呼んでいますが、厳密に言えば「白」ではなく、レモンイエロー、イエロー、黄金色などの色調があります。
また、スキン・コンタクトを行うと琥珀色やオレンジのような色合いになります。
色の他にも、桃やリンゴ、パイナップルなどの甘いフルーツの香りや、ハーブの爽やかな香りも白ワインの特徴としてあげられます。
白ワインが美味しくなるオススメ温度は6〜9度!
蒸し暑い夏の日に、キリッと冷えた白ワインに白身魚のカルパッチョ!!
想像しただけで顔がにやけてしまうのは私だけでしょうか…(*´﹃`)
<赤ワインの製造方法についてはこちら⬇︎>
参考
イギリス王立化学会のの科学者が教えるワイン入門 ディヴィッド・バード著(株式会社エクスナレッジ)
基本を知ればもっとおいしい!ワインを楽しむ教科書 大西タカユキ監修(株式会社ナツメ社)
赤ワインの製造方法について
Ciao a tutti :)
皆さんこんにちは!どーもマユミです😄
普段、何気なく飲んでいるワインが、ブドウからどのような工程を経てワインになるのか。
今回は赤ワインの製造方法についてのお勉強です。
赤ワインに使われるブドウ
赤ワインに使われるブドウは、黒に近い青や紫色をした『黒ブドウ』が使われます。
主な品種は
などです。
黒ブドウの果皮には『アントシアニン』含まれており、この色素によって赤ワインは鮮やかなルビーやガーネット色になります。
製造工程
1.収穫・輸送
収穫期を向かえたブドウは、人の手か機械によって収穫されます。
収穫したブドウはワイナリーへ送られます。
この時、最も重要なのがブドウの品質を維持したままワイナリーに送ることです。
もしもブドウが傷つき果汁が漏れだすと、酸化が始まってしまいます。
そのため、ブドウ畑の真ん中に醸造施設を置いたり、収穫したブドウに酸化防止剤を散布するなどの対策がされています。
2.除梗(じょこう)・破砕(はさい)
収穫したブドウから果梗(茎やヘタ)を取り除き、ブドウの実を軽く潰します。
作り手が仕上げたいワインによって、タンニンを多く含む果梗を残す場合もあります。
果梗を取り除くか、または一部を房のまま使うか。
どんなワインに仕上げるかによって調整されます。
3.醸し(マセラシオン)
破砕が終わると、果肉も果汁も果皮も種も全て発酵槽へ移され、果汁に果肉や果皮、種子を漬け込みます。
この工程を『醸し(マセラシオン)』と言います。
醸しは発酵前と発酵後にも行われます(ただし、仕上げるワインによって行わない場合もあります。)。
発酵前の醸し
発酵前の醸しは主に色素の抽出を目的に、数日から数週間行われます。
この時、発酵が始まらないように果汁を低い温度で管理します。
発酵後の醸し
発酵後の醸しは主にポリフェノール類の抽出を目的に、数日間の場合もあれば、1〜2か月の間行う場合もあります。
この時は発酵前とは異なり、比較的高い温度で行います。
4.アルコール発酵
醸しが終わると、酵母の働きによる発酵が行われます。
酵母は果汁に含まれる糖分を、アルコールと二酸化炭素に分解をします。
使われる酵母は、ブドウの皮に付着している自然酵母か培養した酵母です。
培養した酵母を使う場合は、果汁に添加します。
この時、二酸化炭素の発生により果皮や種子が表面に浮き上がるため攪拌も行います。
また、発酵により果皮からはアントシアニンが、種子からはタンニンが抽出されます。
5.圧搾
醸し・発酵の工程が終わると、発酵槽からワインを抜きとります。
圧力をかけずに、発酵槽の下から流れ出たワインは『フリーラン・ワイン』と呼ばれています。
残った果実や果皮、種子はプレス機で圧搾されます。
この圧搾によって絞り出されたワインは『プレス・ワイン』と呼ばれています。
圧搾の時に、圧力をかけ過ぎると不快なタンニンなどが抽出されるため、できるだけやさしく圧力をかけることが重要となります。
6.マロラクティック発酵(MLT)
酵母よるアルコール発酵が終わると、乳酸菌による二時的発酵が始まります。
この発酵を『マロラクティック発酵』と言います。
マロラクティック発酵によって、ワインに含まれるリンゴ酸の尖った酸味は丸みを帯び、タンニンはまろやかになります。
このことで、バランスの良いワインに仕上がります。
バターやチーズなどの乳製品のアロマは、このマロラクティク発酵由来とされています。
7.熟成
発酵が終わったワインは、果汁からの急激な変化で不安定になっています。
熟成によりワインは安定し、香りや味わいが落ち着いていきます。
熟成は、ステンレスタンクや木樽で行います。
フレッシュなワインに仕上げる場合は、ステンレスタンクで行います。
複雑さや樽由来のアロマをつけたい場合は、木樽で行います。
木樽の場合は、古樽か新樽かによってもワインに与える影響は変わります。
熟成にかける期間は、仕上げるワインによって変わります。
ボジョレーヌーボーのような早飲みタイプは数週間〜、長いものでも数ヶ月間程度。
長期熟成タイプのワインであれば、数年間〜です。
8.澱引き
タンクや樽の底には徐々に酵母の死骸などの沈殿物が溜まっていきます。
この『澱(おり)』を放置すると悪臭や雑味をもたらすため取り除きます。
大きなワイナリーでは遠心分離機を用いて澱引きが行われます。
9.清澄(せいちょう)・ろ過
清澄剤(卵白やゼラチンなど)を添加し、ワインの濁りの原因となる浮遊物を清澄剤に吸着させ取り除きます。
さらにワインをクリアな状態に保つためにろ過を行い、余分な微生物を取り除きます。
ただし、ろ過はワインの味わいに影響を及ぼす恐れもあるため、ろ過をしない場合もあります。
10.瓶詰め
瓶にワインを注入し、コルクまたはスクリューキャップで栓をします。
ワインによっては瓶内でさらに熟成を行い、その後出荷されます。
まとめ
赤ワインを造るための工程が多いのに驚きました。
現在では、破砕や攪拌などの工程に機械を使用するワイナリーが多くなってきたそうですが、昔は全て人の力で行っていました。
破砕は、桶に入れたブドウを足で踏む。
攪拌は、櫂(かい)を使って行う(これを『櫂入れ』と言います。)。
この櫂入れは、かなりの重労働であったのと、過って発酵槽に転落し命を落とすこともあったそうです。
この櫂入れを行っているワイナリーは現在でもあるそうです。
素晴らしいワインを造り上げるために、命をかけて醸造をしている。
ワインに対する情熱がなければ出来ない事だと思いました。
今回勉強した赤ワインの製造工程は、仕上げるワインによって全て行ったり、行わなかったりします。
いつか赤ワインを試飲した時に「これはマロラクティック発酵をしてますね〜。」「これは樽発酵ですな〜。」なんて言えるようになりたいものです。
参考
イギリス王立化学会のの科学者が教えるワイン入門 ディヴィッド・バード著(株式会社エクスナレッジ)
基本を知ればもっとおいしい!ワインを楽しむ教科書 大西タカユキ監修(株式会社ナツメ社)